もはや組織の中でグループウェアは、無くてはならない存在です。しかし、ある程度の規模の会社はパッケージソフトではなく自社独自のグループウェアを採用しているため、OSなどシステムの環境が変化すると、移行に時間やコストがかかり意思決定が遅くなりがちです。そこでシステム担当者がどうやってこの問題を打開するか説明したいと思います。
グループウェアの現状
2000年代前後にかけて、ISOの取得に伴い多くの企業がグループウェアの導入を行い、文書管理やワークフロー承認などの機能を導入してきました。
しかし、長期に亘ったWindowsXPも延長サポート期間が終了し、Windows7やWindows10へのパソコン更新に伴い、多くの企業がグループウェアの更新問題に直面しています。
新旧のグループウェア
特に、日本国内ではIBMが提供していた『LotusNotes』がかつては主流であり、多くの企業がISOの文書管理システムに対応するため、専用カスタマイズを行ったりしていました。ですが、LotusNotesの場合、バージョンアップやリビジョンアップを行った際、高額な情報化予算投資が必要となり、社内全体に展開されていた場合、システム更新に多いなる障害を伴うこととなります。
そもそも、LotusNotesは特殊なファイル形式すなわち『nsf形式』が利用されており、WordやExcel、PDFといった電子データがアーカイブ化されています。そのため、専用コンバーターソフトによるファイル解凍や移行作業を伴うこととなります。
また、移行先となる新規のグループウェアにおいて、最新版文書管理台帳および廃止・旧版管理台帳の移行、そして電子ファイルの移行がグループウェアの更新を妨げることとなります。
おすすめのグループウェア
そこで、おすすめなものとしてはパッケージ品でのソフトウェアを導入し、自社専用のカスタマイズは最小限に留めることが大切なポイントとなります。また、移行作業に伴う実働時間を想定算出することが重要なポイントになります。
近年では、LotusNotesからのグループウェア移行サービスも非常に多くなっているものの、あくまでコンサルティング事業としての要素が強いため、実質的にはシステム保守を依頼する会社またはシステムを導入した際に関係した企業に打診することをおすすめします。
グループウェアを選定する際、今後のシステムバージョンアップを考慮すれば、社内で使用するシステムを統合するよりも独立化して運用することやカスタマイズソフトの導入を避けることが将来的に大きなメリットを生むことになります。
近年では、文書管理のシステムも最新版および廃止・旧版台帳をCSV形式で取り出せるのみならず、保存された電子データを分割排出することが出来ます。さらに、移行先であるグループウェア自体も、CSVファイルと電子データのファイルボックスを一括取り込み出来るといった機能が備わっています。
直近で、これらのグループウェアで移行作業の容易性や操作性を考慮する場合、OSK製のeValueNSといったグループウェアが安価に導入出来るため、おすすめです。
しかしながら、グループウェアの更新については検討時に、上司からの反対や代替案を要求されることが多いため、意思決定に時間がかかる為、容易ではありません。そこで情報システム担当者はサーバー自体の老朽化や既存システムのデータ保守が出来ないことをしっかりと説明していく事が求められています。