新しい年をお祝いし、久々の親戚の元気そうな顔にほっとしたり、
おなかがいっぱいなのに次から次へと出てくるごちそう…。
ゆっくり休めると思っていた正月休みもあっという間に終わります。
胃もたれがまだ残ったままでも仕事始めや新学期は待ってくれません。
そんな頃にやってくるのが七草粥の風習です。
一月七日は「人日(じんじつ)の節句」と言われる五節句のうちのひとつで、
この日に七草粥を食べて邪気を祓い一年の無病息災と五穀豊穣を祈るとされていますが、
お節料理やお正月のごちそうで疲れた胃を休めるためとも言われています。
日本では古来より「若菜摘み」という風習があり
年の初めに雪の間から出てくる草の芽を摘んだ事が由来と言われています。
七草粥の七草とは
【せり なずな おぎょう はこべら 仏の座 すずな すずしろ 】
が一般化しています。
その中で今回はなずなについて掘り下げていきたいと思います。
なずなはこんな植物
花名はナズナ。
別名、ぺんぺん草、シャミセングサなどとも呼ばれます。
アブラナ科ナズナ属の越年草で、原産地は北半球で現在日本全土に分布しており、
田畑やあぜ道、道端、荒れ地などに生育しています。
背丈は10cm~50cmほどになり2月~6月にかけてかわいらしい白い花を咲かせます。
なずなの名前の由来
夏になると枯れることから「夏無(なつな)」、
また撫でたいほどかわいい花を咲かせることから「撫菜(なでな)」という呼び名が変化したことが由来とされています。
別名の「ペンペングサ」「シャミセンソウ」の名前の由来は、
その名の通り実の形が三味線のバチに似ていることや実を少し引っ張り茎をもってくるくるとまわすと
「ぺんぺん」と聞こえたことにちなむと言われています。
なずなの成分
七草粥に入るなずなの成分は
100g当たり、エネルギー36kcal 水分86.8g 炭水化物7.0g タンパク質4.3g 脂質01.g
野菜が乏しくなくる冬場に栄養を補うために食されていました。
なずなの慣用句
「ぺんぺん草が生える」…道端や荒野などいたるところに生えることから、
建物が取り壊された空き地など荒れ果てているさまの例えとして使われます。
また、その逆に
「ぺんぺん草もはえない」…
どこでも育つぺんぺん草ですら生息しない様子から何も残ってない状態のことを言います。
どちらもあまりいい意味に聞こえませんが、ナズナの生命力と力強さを感じますね。
なずなの花言葉の由来
ナズナの花言葉は「あなたに私の全てをささげます」です。
西洋でもI offer you my all.と言われ
これは相手にお財布を与えることが由来と言われ日本と同じ花言葉を指します。
あぜ道でよく見かけたあのぺんぺん草が七草粥に入っているのは不思議な感じがしますが、
中国でも古来より薬草として食されていたようです。
効能は殺菌、消炎、止血、血液循環促進などなど。
普段食することの機会の少ない「なずな」ですが、
一月七日、七草粥としてぜひ味わってみてはいかがでしょうか。