節約で最も効果が大きいのは毎月必ず発生してしまう固定費の節約です。毎月必ず支払わなければいけない変動がほとんどないお金として、家賃、保険料、ネットサービス料、宅配牛乳代金などがあります。そして意外と節約効率が高いのがスマートフォンや携帯電話の固定費の節約です。
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スマホの固定費を削減
大手携帯会社のソフトバンクやドコモ、auは基本料金だけで4000円から5000円ほどかかることが多く、契約期間も最低2年間というのが一般的です。毎月4000円を2年間24カ月そのまま支払い続ける場合、96000円の出費が必ず生じることになります。
そこに通話料金やデータ通信料が加算されると大人1人スマホ代に毎月平均8000円ほどかかっているのが一般的で、その総額は192000円と初期の契約手数料などを含めると約20万円かかっていることになります。iPhone7(2GBRAM)の128GB端末の料金を支払う場合には約7万5千円から8万8千円程度の出費が加算されることになります。
ここで、スマートフォンを格安スマホに切り替えるとその費用は5分の1(38400円)から8分の1(24000円)程度と大幅に出費を節約できます。端末を格安スマホでも知名度の高いASUSのZenfone3にするだけで端末価格は約半分の4万2千円程度にできます。
データ保存容量は4分の1(32GB)から半分(64GB)になりますが、システムメモリは4GBRAMと性能はiPhoneより優れています。Zenfone3の場合は、microSIMとSDを同時に1つずつ差し込めるためデータ保存容量は後から追加できて保存容量で不利になることもないでしょう。端末代金を約半分にできて性能はそのままかそれ以上にアップできるため格安スマホの方が確実にお得です。
格安SIMは楽天モバイルがおすすめ
格安スマホには格安SIMを挿して使うのがベストですが、中でも安さや使いやすさで選ぶならば楽天モバイルが一番でしょう。携帯電話キャリア大手では毎月7GB制限があって、毎月8000円や10000円の通信料がかかりますが、楽天モバイルならば毎月10GB制限で約3000円と半額以下の通信料金にできます。
楽天モバイルは家族で切り替えた場合、同じ楽天モバイル同士の通話などは短時間であれば通話料がかからないなどお得なプランもあるためメリットも大きいです。ただし、それ以外の場合は30秒20円という高い料金がかかってしまうため、10分以上の通話や20分近い通話をすることが多い方は逆に料金が高くなってしまうため注意しましょう。
Wi-Fi接続でブラウジング、インターネット接続、アプリのアップデートをするように心がけていればデータ通信量はほとんどかけずにスマートフォンを使えるようになるため、家族との電話連絡くらいしかしない方は楽天モバイルなどの格安SIMに切り替えるとよいでしょう。
どこの格安SIMに切り替えるかはそれぞれのスマートフォンの使い方や家族構成などで比較したほうが良いですが、DMMモバイルやDTISIMなど他にも安くて使い勝手の良いSIMサービスは多いので、一度は格安SIMを比較してみてください。
格安スマホへの移行と手続き手順
格安スマホに移行する時に一番不安になるのは、その契約方法とお金の支払い方法、端末の入手方法です。格安スマホを購入する場合、ソフトバンクやドコモ、auのように店舗に行って契約することはありません。Amazonや楽天の買い物のように端末と格安SIMカードをクレジットカードで購入するだけで、宅配で端末とSIMカードが自宅まで郵送されてきます。
クレジットカードが必須になってしまうという点はデメリットですが、自身で格安スマホ端末にSIMカードを挿し込めるのであれば全く問題なく格安スマホに移行できます。格安スマホは新たに信用情報などの審査を受けなくても購入できるため、携帯会社大手のキャリアで割賦契約をするより手間はかかりません。
格安SIMサービスによってはプリペイド式に近いものもあるため、チャージするのを忘れると不便ですが、クレジットカードなどで簡単にチャージできるようにしておけば、通話料や通信料で困ることはまずありません。格安スマホは分割で購入するというよりは、クレジットカードの分割払いで購入するか、一括で購入することになるため、2年契約などに縛られる必要もなく、格安SIMはさまざまな会社のものに乗り換える事もできます。
楽天モバイルやDMMモバイルなどプリペイドに近い感覚で使えるSIMがあればいろいろ試しながら使って最終的に最も便利に使える格安SIMに乗り換えて、その後ソフトバンクやドコモ、auとの契約を解約すればリスクも分散できます。
SIMカードを挿し込めない場合は、スマホの扱いに詳しい若者や協力者を頼れば簡単にSIMを導入できます。格安スマホ、または、格安SIMを購入した時点で専用の道具は付属しているので、やり方さえわかれば誰でも簡単に格安SIM&格安スマホを使い始められます。
解約違約金はかかっても赤字にはならない
節約の基本は長期的な視点で余計にかかるコストを減らすことです。格安スマホへの切り替えでも1年や2年と使い続けた場合に大幅に出費を減らせるというメリットがあるため、ソフトバンクやドコモ、auの解約違約金1万円程度の出費はそこまでマイナスにはなりません。
格安スマホに切り替えた場合、2年間のスマートフォンや携帯電話への出費が半分ほどの10万円から15万円以下にできるため、解約違約金を差し引いてもリスクはほぼありません。きちんと計算すれば誰でも分かることですが、1年間のスマートフォンや携帯電話への出費総額をトータルで考えて格安スマホに移行しましょう。
祖父母や両親のスマホ料金節約にも役立つ
格安スマホを親や祖父母に使ってもらうというのは失礼な気がしてしまいますが、格安スマホという呼び方は正式ではなく、正式なスマホメーカーがiPhoneに負けないレベルの高性能なスマホを開発している事実があり、iPhoneよりデザインも性能も高く、iPhoneより価格が安いものを便宜的に格安スマホと呼んでいるだけです。
実質スマートフォンの操作性や操作感は差が多少出ますが、慣れてしまえば難しいことは何もなく、毎月ほとんどスマートフォンを使っていないご老人や年配の両親、祖父母の出費を抑えて、他の生活費に使えるお金に回すというのはとても良いことです。
また、スマートフォンを初めて使用する小中学生向けに格安スマホを導入するのも良いでしょう。データ通信量に関しては昼間、学校に行っていてスマートフォンを使う時間が少ない小中学生は自宅ではWi-Fi接続でスマホを使用してもらえばデータ通信速度の制限で苦労することもまずありません。
格安スマホも壊れやすさや画面の割れやすさはiPhoneと差はないですが、端末そのものの価格が1万円台や2万円台の格安スマホであれば買い換えるのも簡単です。その点iPhoneは本体の購入で8万円ほどかかり、修理だけで1万円や2万円を超えることもあり、保証サービスに加入するには毎月お金を支払って保険のようにしないといけないため、出費が増えてしまいます。
スマートフォンをそこまでたくさん使わない方や、ほとんどのデータ通信がWi-Fi接続だけでできている方はiPhoneを使っていく理由はなく、ASUSのZenfone3やFREETELのスマートフォンで十分活用できます。
番号をそのままに格安スマホに移行する方法
今現在使用している電話番号を変えることなく、そのまま新しい格安スマホに移行するには「電話番号ナンバーポータビリティ(MNP)」に登録するだけで良いです。MVNOサービスにも対応しており、MNPに登録しておけばビジネスにおいて移行の手間を最小限に抑えることができ、電話番号を変更したことで起こる連絡トラブルも極力防げます。
この番号をそのままに携帯電話を移行できるMNPは2006年には開始されており、今では070、080、090どの番号にも対応しています。MNPで番号をそのままに移行するには、有料の手続きが必要で、一般的にMNP転出手数料が約3000円、契約解除料(解約違約金)で約9000円、新規契約するサービスでの契約事務手数料で約3000円が必要になります。
合計すると約15000円ほどかかってしまいますが、携帯電話の通信料金や基本料金を節約できる格安スマホや格安SIMに移行すればその一時的なマイナスはすぐに取り戻せます。もちろん、携帯電話やスマートフォンの契約更新期間中に、携帯電話の電話番号の移行や機種変更すれば契約解除料はかからないため、負担を最小限に抑えることができます。
さらに、電話番号はそのままに携帯電話の契約を別の会社のサービスに移行するには、その時点で契約している携帯会社キャリアにおいて、MNP予約番号の発行やMNP予約申し込みが必要になります。基本的にはお店に申し出ればしっかり手続きをしてくれるので、手間ではあっても申告して手続きしてもらいましょう。
番号をそのままに格安スマホに移行する場合、データ通信に必要なSIMと電話番号のSIMを2枚挿し込まないといけなくなることもあります。SDカードを挿し込みたい場合には、逆に不便になることもあるため、より便利な格安スマホ端末を選び、挿し込めるカードの枚数が多いものを選ぶほうが便利です。
番号をそのまま新しい格安スマホを利用するのも良いですが、番号を変えてもデメリットがないならば、まとめて格安スマホに心機一転乗り換えてしまうのもありです。
格安スマホのデメリットと賢い使い方
ASUSのZenfone3などのスマートフォンに切り替えれば、多くの方は通信料金を節約することができますが、電話の回数が多く、通話時間が長い場合には必ずしも安くなるとは限らないことに注意しましょう。
電話時間が長い方は格安スマホよりは携帯会社各社キャリアのサービスのほうが通話料金を節約しやすいです。ビジネス目的でスマートフォンを使う方も信頼維持のためにソフトバンク、ドコモ、auの回線のほうが顧客が安心する場合が多いです。
同じ会社内の人間同士や家族での連絡をするためだけに使う場合には、iPhoneである必要はないため工夫してスマートフォンを選びましょう。「@i.softbank.jp」や「@docomo.ne.jp」のようなキャリアメールを使いたい場合には、ガラケーを安く契約してEメールを使えるようにしておけば費用を十分節約できます。
EメールがひとつあればgmailやYahooメールは複数作成できるため、連絡相手や目的ごとにメールアドレスを使い分けることも可能です。また、新しいメールアドレスが必要になった場合は、キャリアの毎月の支払いにオプションでお金を支払ってメールアドレスを作成できます。
格安スマホはそのメリットは十分ありますが、使用方法によっては通信料金が高くなってしまいます。スマートフォンの料金や通話料金の仕組みをよく理解して、賢く格安スマホを利用していってください。